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はじめに|このテンプレートの特徴

このテンプレートの特徴は、おもに2つあります。

1つは、著者のためのスペースや機能が多数あるScrivenerの機能を生かし、著者専用のメモ欄や、設定のサンプルを多数用意したことです。具体的には、進捗状況の管理、劇中日時の管理、人物や場所の情報の管理、視点の分類、後回しにした箇所のリアルタイム検索などがあります。

もう1つは、ルビや傍点を所定の記法で記述し、同梱のコンパイルフォーマットを使って出力すると、Word、egword universal、一太郎で、ルビや傍点として扱えることです。つまり、Scrivener内ではルビや傍点を表現できませんが、コンパイルすれば一般的なワープロで表現できます。

Scrivenerで日本語の原稿を書くことに問題はありませんが、小説を書く場合には、縦組み、ルビ、傍点といった、組版上の機能がサポートされていません。

筆者は著書『Scrivener入門』などにおいて、「Scrivenerでは原稿執筆のみを行う。組版に関係する作業は、コンパイルして出力したファイルを別のアプリで行う」ことを提案し、その方法を解説してきました。

しかし実際には、コンパイル機能を実際に活用している方は決して多くないように思われます。たしかにコンパイル設定は、ただでさえ機能が多いScrivenerの中でも難関のものです。

そこでこのテンプレートでは、中編・長編小説で典型的と思われるコンパイルフォーマットを数パターン用意し、それらを選ぶだけでコンパイル機能を活用できるようにしました。本来、小説はどの作品も「一点もの」であり、著者が必要とする機能や設定は非常に多岐にわたりますが、実例の1つとしてお役立てください。