2022/06/28、2022/07/25 いろいろ追記 2023/08/08価格修正ほか 2024/03/05中長編テンプレートの案内追加など
「Scrivenerってどんなアプリ?」と興味を持った方のために、これまでの当サイトの記事と、書籍の試し読みを中心に、無料で読める情報をまとめました。
自分の目と手で確かめよう
Scrivenerの公式ユーザーガイドは、英語でレターサイズ900ページ以上あります。日本語訳すれば2,000ページくらいになるでしょう。
それほど機能が多いため、注目する機能にもユーザーごとに大きな違いがあります。そのためか毀誉褒貶が比較的激しく、絶賛する人もいますが、酷評する人もいます。ただし、旧バージョンのまま情報が止まっている人も、誤解をしている人も見かけます。
文章の書き方は本当にたくさんあります。職業柄、書き方の本や他人の原稿はたくさん読んでいますが、文章の書き方、ひいては書くことに対する態度というものは、これほど人によって違うものかと1冊ごとに思います。
ある人はこれがなければダメだと言いますが、別の人はどうでもいいと言います。Scrivenerが絶賛されても酷評されても、たまたま、その人のスタイルに合っていたり、外れていたりするだけだろうと思います。誰かがあれこれ言っていても「それ、あなたの感想ですよね」と思っておくほうがいいでしょう。
ジャンルや長さがどうであれ、Scrivenerに興味を持ったあなたは、なにかしらのものを書いているか、書こうとしているか、書くことに興味を持っているか、そのいずれかでしょう。そんな方が、人の言うことを鵜呑みにすべきではありません。もちろん、この記事も含めてです。無料の体験版もあるので、一通りの情報を仕入れたあとは、自分の目と手で確かめることを強くおすすめします。
そもそもScrivenerとは
イギリスのLiterature & Latteという会社がリリースしている、長文作品向けの執筆用アプリです(だからといって、短編に不向きなわけではありません)。Mac版、Windows版、iOS版(iPhoneとiPad)があります。作品のファイルは共通です。
Scrivenerの特徴を3行で説明して
- 原稿を分割して扱えます →章節項もシーンも、好きなところで分割してドラッグ&ドロップで組み替え可能
- 書き手用のスペースがたくさんあります →集めた資料も自分専用のメモも、本文中に書いておきたいけれど読者には見せたくない覚え書きも集中管理
- 「コンパイル」でルールに従って自動加工 →章節項の番号を振ったり、字下げを統一したりできる。テンプレートは当サイトで無料配布
もうちょっと詳しく説明して
向いている用途と不向きな用途、それぞれ1ページのFAQにまとめてあります。
当サイトは広告でも絶賛工作でもなく、ましてや神ツールなどと担ぐ気もない、一介のユーザーによる非公式サイトですので、不向きな用途についても平気で書いてしまいます。買った後になって「思っていたのと違った」などと言わなくて済むように、両方をお読みになることをおすすめします。
書籍としては、拙著『考えながら書く人のためのScrivener 入門 for Windows』(BNN)の試し読みで、第1章がまるごと読めます。Kindleを使っていなくても、Webの「試し読み」でOKです。これでだいたいの特徴を把握できるはずです。
Windows版向けの書籍ですが、「1-1 Scrivenerの概略」はほぼOSに関係なく使えます。Macの方もまずこれをどうぞ。
Windows版については、当サイトにも5回シリーズのレビューがあります。
→「《詳報》Scrivener 3 for Windows(1/5)──はじめに」
Mac版については、『考えながら書く人のためのScrivener入門[ver.3対応 改訂版]』(BNN)は、第2章のアタマくらいまで試し読みできます。
開発元によるコンセプトビデオ
開発元がコアコンセプトをアニメーションで紹介しています。英語ですが、上の「1-1 Scrivenerの概略」を先に読んでいただければ、なんとなく分かるような気がしてくるでしょう。
→「Scrivener’s Core Concepts」(Vimeo)
ほかにも、公式で多数のチュートリアルビデオが公開されているので、英語に抵抗のない方はどうぞ。
なんかすごい難しいって聞いたよ?
正直に言って簡単ではありません。まず機能が山盛りです。ただ、必要な機能は書き方によって異なるので、1度も触らずに終わるものも多いでしょう。PhotoshopどころかWordやChromeでさえ、全部の機能をつねに使う人はいないはずですから、その点を心配する必要はありません。ただし、必要かどうかを判断するには、1度は機能を知らなければならないので、その作業は必要です。
また、そもそもコンセプトが普通の執筆アプリとまったく違うので、予備知識なしでとりあえず本文は書けるテキストエディタのようには使えません。一通り使えるようになるまで数週間はかかると思っておいたほうがいいでしょう。
ただし、「Davinci Resolve」のようなDTVアプリ、「Studio One」のようなDTMアプリ、「VSCode」のようなプログラム開発アプリの経験があれば、1時間程度でおおよそ把握できる場合も少なくないようです。細かいパーツを作って順序を組み替える、制作の便宜を図る作者用のマーカーやコメントをつけられるといった点は、DTVアプリなどとよく似ています。「文章用のPremier」「文章用のCubase」などとイメージしておけば、慣れるのも早いでしょう。DTVのフッテージ、DTMのシーケンス、開発のスニペットなどが、Scrivenerのテキストの1つにあたる考えてみてください。
実例を見たい
Scrivenerで書いた、筆者の著作のキャプチャを当サイトで紹介しています。
→「カテゴリー: 実例」
応用例として、「小説家になろう」をはじめとする小説投稿サイト向けのテンプレートも無料配布しています。これは「コンパイル」という機能を活用したものです。どんなことができるかという実例としてもどうぞ。
→「投稿サイト・連載小説用サンプルファイル ver 3.1」
もっと長い中長編を書く場合のテンプレートもあります。Scrivenerは日本語の組版機能がほぼないので、EGWORD、一太郎、Wordのいずれかで仕上げることを想定しています。
どんな人が使ってるの?
別記事へどうぞ。
当サイト独自の投票もあります。
使っている人の話を聞いてみたい
旧バージョン向けの書籍で、内容は2016年当時のものですが、『考えながら書く人のためのScrivener入門』(BNN)の試し読みで、SF作家・藤井太洋さんのユーザーインタビューが全文読めます。ご自身はすでに自主開発された環境へ移られたそうですが、氏の執筆スタイルを含め、Scrivenerに関して大変勉強になるはずです。
Mac版の解説書としては現行のメジャーバージョンに対応した『考えながら書く人のためのScrivener入門[ver.3対応 改訂版]』(BNN)の試し読みで、ミステリ作家・天祢涼さんのユーザーインタビューが全文読めます。こちらもやはり氏の執筆スタイルも含め、なるほどと思うことがたくさんあるはずです。
ちなみに、iOS版で収録した倉下忠憲さん、Mac改訂版に収録した千葉雅也さんのインタビューは、試し読みでは公開されていません。興味があればお求めくださいませ。
体験版を使ってみよう
全機能を起動日数の合計で1か月間使える体験版があります。詳細は別記事でどうぞ。
インストールした直後の環境設定の手順は別記事へどうぞ。Windows版の記事ですが、やることはほぼMac版と同じです。
→「Scrivener FAQ|Windows版の初回起動がわかりません」
Windows版で、表示が英語になってしまった場合は別記事をどうぞ。
→「Windows版 Scrivener、3.0.1リリース 要環境設定変更」
~ってできるのかな?
当サイトのFAQ記事をどうぞ。
縦書きについては
サンプルないかな?
アプリにチュートリアルは付いてきますが英語です。当サイトで、書籍で使ったサンプルを配布しているのでどうぞ。
→「ファイル配布」
でも、お高いんでしょう?
ライセンスは買い切り制です。月間いくらというようなサブスクリプション制ではありません。
Mac版、Windows版、iOS版、それぞれを必要に応じて購入する必要があります。ただし、家族内使用であれば実質的に台数制限はありません。
Mac版とWindows版は、直販では8,820円、Mac App Storeでは9,000円です。
iOS版はApp Store扱いのみで、3,500円です。
なお、円建ての価格は為替によって随時変動するようです(上記の価格はいずれも2023/08/08現在)。
よし、買うぞ~っ!
直販版であれば、割引クーポンが使えるかもしれません。最新の割引クーポンは当サイトのニュースとしてご案内していますので、気が向いたときにアクセスしてください。
購入方法はこちらで。
解説書もどうぞ
アプリを買ったら、解説書もぜひどうぞ。電子書籍もあります。たいていのことはこれで解決すると思います。
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