メニュー 閉じる

本文|見出しのフォルダと階層、連番と名前

「原稿」フォルダは、その直下の第1階層には章のフォルダを、さらにその直下の第2階層には節のフォルダを配置してください。本文のテキストは、いずれかのフォルダの直下に配置してください。

次の図では、「朝」は第1階層ですので章、「九時」は第2階層ですので節になります。

見出しフォルダの名前

章と節のフォルダの名前は、Scrivenerでは一般的に見出しとして使われますが、コンパイルフォーマットの設定により、出力させないこともできます。フォルダの名前を出力しなければ読者には明らかにされないので、フォルダ名を著者が執筆の便宜を図る「自分のためだけの隠し見出し」として使えます。

たとえば、章フォルダに「朝」「昼」……と名付けた場合、連番と名前を含めた「第1章 朝」「第2章 昼」……と出力することも、連番のみの「第1章」「第2章」……と出力することもできます。

次の図は、前図のプロジェクトを、章と節の名前を出力しないフォーマットを選んでコンパイルしたところです(解説のため本文は削除)。

連番を付ける見出しと、フォルダの名前

一般に、章の見出しは「第1章 朝」のような「章番号+章の題」から構成されます。

デフォルトでは、第1階層・第2階層ともに、コンパイルしたときに「第1章(タブ)」のような連番が自動的につけられます。このため、章のタイトルを「第1章 朝」とする場合でも、「朝」とだけ書けば十分です。「第1章 」を書く必要はありません。

また、節の見出しは「5」のような「節番号」であることが多いようです。小説では、節に題を付けることは少ないようですので、このテンプレートでは考慮していません。(ただし、将来的な拡張も考慮してセクションタイプを作成してあります)

連番を付けない見出しと、フォルダの名前

一般に「第1章 朝」のような「章番号+章の題」のような見出しを付ける構成でも、「プロローグ」や「幕間」のように、章番号を付けない短いエピソードを配置する場合があります。

章番号を付けない見出しは、次のように設定してください。

  1. 第1階層にフォルダとして配置してください。たとえば、「第1章」の前に「プロローグ」があったり、章と章の間に「幕間」があったりする場合は、第1階層にフォルダを配置します。
  2. バインダーで目的のフォルダを選択し、[ナビゲート]→[情報]→[メタデータ](Windowsでは[ナビゲート]→[インスペクター]→[カスタム&メタデータ])を選び、「セクションタイプ」を「見出1-連番なし」に設定します。このセクションタイプを選ぶと、コンパイルしたときに連番は付けられません。

「連番なし」のセクションタイプを選んだときでも、連番を出力しないコンパイルフォーマットを選んでコンパイルすると、フォルダの名前が見出しの名前として出力されます。連番も名前もないとなると、名無しの見出しが作られてしまうため、そのような設定にしています。見出しにネタバレの名前を付けた場合は、とくによく注意してください。

連番付きの見出しへ変更したい場合は、「セクションタイプ」を「見出1-連番あり」に設定します。

フォルダの名前を読者に見せないメリット

読者に見せない見出しを原稿中に書けることは、著者にとって大変便利になることがあるでしょう。

たとえばスパイ小説を書くときに、フォルダに「第1の事件」「ダミーの事件」「スパイ発覚」「身代わり登場」のようなネタバレの名前を付けていても、名前を出力しないコンパイルフォーマットを選べば「第1章」「第2章」としか出力されないので、読者にはバレません。

とくに実際の作品の節の階層では、内容を反映した名前を付けることはあまりなく、多くのジャンルで、連番のみとすることが多いように思われます(節には連番も付けないケースも多くありますが、このテンプレートはその場合にも対応しています)。

そのような作品を執筆するときに、見出しにまったく名前を付けられずにいると、著者までもが「あのシーン書き足したいんだけど、どこだっけ? 5節? 6節?」と探し回ることになります。しかし読者に見せない見出しを付けられれば、すぐに目的の見出しを探し出せます。

執筆中はネタバレの見出しを付けて、脱稿したら連番に書き換えるという方法もありそうですが、書き換えた文言はなくなってしまいます。何年も経ってから改稿して文庫化するようなときに困るかもしれません。Scrivenerであればコンパイルフォーマットを使い分けることで対処できます。