ありません。別の方法を使って対策しましょう。
新聞・雑誌や新人賞など、1行の文字数と行数を指定されることがありますが、Scrivenerにはその設定はありません。Scrivenerは原稿を書くことだけに使い、Word、一太郎、egword、InDesignなどを使って仕上げる使い方をおすすめします。
Scrivenerはイギリス生まれのアプリであり、日本語特有の組版ルールについては1点を除いて、まったくサポートされていません。その1点とは「Mac版でのみ、縦書きができる」ことです。それ以外のもの、具体的には、(Mac版以外での)縦書き、ルビ、傍点、禁則文字、割注などはサポートされていません。
筆者のような、横書きで、ページ区切りを意識する必要がなく、原則としてルビも傍点も使わないジャンルの原稿であれば問題ありませんが、新聞・雑誌、文芸方面のユーザーには大問題でしょう。
小説を書かれているユーザーにどうしているのかと伺うと、Scrivenerでの作業は構成作りやおおまかな本文執筆までとし、文字数の厳密な管理や、ページ・行の区切りを意識した配置には、Word、一太郎、egword、InDesignなどの、日本語組版機能を一定程度備えたアプリを使って、最終原稿を仕上げている方が多いようです。それほど厳密なレイアウトが必要でない場合や、文字数のカウントだけでよい場合は、原稿用紙モードを持つテキストエディタでもよいかもしれません。
また、それほど厳密でなくてもよいが、ページ数の目安だけでも知りたいという場合は、エディタの幅や文字サイズ、用紙サイズなどを調整すれば、ある程度は対応できます。これらの設定は長くなるので、拙著『Scrivener入門』を参照してください(このサイト各ページの下端を参照)。
いずれにしても、Scrivenerにない機能が必要であれば、Scrivenerで最終原稿まで仕上げようとせず、対応した別のアプリを併用することを考えることをおすすめします。
なお、ルビや傍点については、ユーザーごとにさまざまな記法を使って対策をされているようです。
当サイトで配布している「投稿サイト用ファイルセット」では、全角スペースを使った字下げなどを設定したコンパイルフォーマットを同梱しています。そのまま使ってもいいですし、分解して研究してもいいでしょう。ルビや傍点についても、青空文庫記法、HTMLのrubyタグ、数多くの投稿サイトごとの記法などに対応しています。