《詳報》Scrivener 3 for Windows(1/5)──はじめに

はじめに

Scrivener(スクリヴナー)は、イギリスの「Literature & Latte」社が開発する、統合執筆アプリケーションです。初期段階の構想づくりから、関連資料の一括管理、本文の執筆と順序の入れ替え、本文の履歴管理、目標文字数までの進捗管理、さまざまなファイル形式への出力に至るまで、作品の執筆に必要なほとんどの作業を1本でまかなえます。クラウドサービスではなくローカルアプリケーションであり、オフラインでも利用できるため、執筆場所を選びません。ジャンルを問わず長文作品の執筆に向いていますが、連載形式の作品や、短編集にもよいでしょう。

Scrivenerの機能は大変多く、テキストエディタとも、アウトライナーとも、プロット作り(箱書き)アプリとも評されることがありますが、そのすべての機能を持ち、1つの作品を多角的に見ながら、全体と部分、連続と断片、概略と本文を行き帰りしながら書き進められること自体が特徴でもあります。筆者が拙著『Scrivener入門』に「考えながら書く人のための」という文言を付け加えた理由もそこにあります。

ただし、必ずしもすべての作業を1本で完結させる必要はありません。実際、インタビューやアンケートを行うと、必要な機能に限って部分的に利用しているユーザーがほとんどのようです。OPMLやDOCXの読み書きにも対応しているので、ほかのアプリケーションとの連携も十分可能です。

Scrivenerには、Mac版、Windows版、iOS版があり、Mac版のver.3は2017年11月にリリースされています。当時Windows版はver.1でしたが、その当日に主要機能をMac版 ver.3と同等に引き上げることを目標にしたWindows版の新バージョン、 ver.3の開発が発表され、即日オープンベータプログラムが開始されました。しかし、1度は発売日を公表しながらも前日にリリースを中止するなど、お世辞にも開発は順調とはいえない状態でした。結局、約3年半にわたってベータ版をリリースしつづけ、ようやく2021年3月23日(イギリス時間)に正式リリースへ至りました。

→「Scrivener FAQ|バージョンの変遷

このような経緯のため、ver.2は欠番になっています。また、ver.1.xのマイナーアップデートは無償で行われましたが、ver.3はWindows版では初めて有償で行われるメジャーバージョンアップとなります。

この記事では、既存ユーザーに待望されたScrivenerのWindows版 ver.3をレビューします。ただし、執筆時間が取れず一度に記事を公開するのが難しいため、5回に分けることにします。

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