12月11日付で、Mac版 Scrivenerが3.4.0へアップデートされました。ver.3を購入している方は無料でアップデートできます。
アップデートの手順
たいていの場合、アプリを起動すると自動的にアップデートを促すウィンドウが開きます。もしも開かない場合は、[Scrivener]→[アップデートを確認します…]を選びます。アップデートを案内するウインドウが開いたら、表示に従って操作してください。
アップデートの内容
主な変更点は次のとおりです。
- サポートするOSはmacOS 10.13以降。10.12以前のサポートは終了。Appleのデベロッパーツールでサポートされなくなったため。
- Apple IntelligenceのWriting Toolsへの対応を改善。校正、要約、書き直しの提案が可能。なお、Scrivenerに従来あった「Writing Tools」メニューは「Reference Tools」へ改名。
- OS(TextKit)に起因する再描画バグを回避できたらいいな(Hopefully worked around)。
- フリーフォームのコルクボード表示で座標が乱れる可能性があるバグを修正。
- コンパイルフォーマットエディタでMultiMarkdownを使えなかったバグを修正。
- 新しいページヘッダーがRTFおよびDocx出力で正常に動作。
- 縦書きでページビューを使うとテキストが途切れるバグを修正。
詳細は、公式サイトのリリースノートに書かれています。
→「Release Note (macOS)」(Literature & Latte)
Apple Intelligenceを使う
Apple Intelligenceについても少しだけ触れておきましょう。この記述は、macOS 15.2のM2 mac miniで確認しています。
ScrivenerからApple IntelligenceのWriting Toolsを直接利用できます。Apple Intelligenceの詳細は、Appleの公式サイトや、各種ニュースサイトなどを参照してください。
→「Apple Intelligence」(Apple)
現在のところ、Apple Intelligenceは英語環境にしか対応していません。逆に言えば、英語環境に設定すれば、日本に設置したMacからでも利用できます。普段使っているMacで試すのが不安な場合は、新しいアカウントを作って英語を最優先に使うように設定します。なお、最初のセットアップには多少時間がかかります。筆者の環境では15分程度かかりました。
これでScrivenerのプロジェクトを開き、英文を選択すると、Apple Intelligenceのロゴが現れるのでクリックします。現れない場合でも、Edit → Writing Tools → Open Panelを選択すれば同じです。
Apple Intelligenceのパネルが開きます。ここでは試しに「Concise」(簡潔)を選んでみました。
処理が行われ、結果が表示されます。
ここからは個人的な感想です。まだApple Intelligence自身がベータ版ですし、Scrivenerとしても実験段階ではありますが、たとえば本文から要約を作ってScrivenerの「概要」欄にペーストするとか、原稿フォルダ以下の全テキストに一度の操作でタイトルを付けてくれるとか、フォルダを選ぶと下位にあるテキストからリードを作ってくれたりすると嬉しいですね。
Apple Intelligenceはテキストを生成する機能もあるので、「概要」欄の内容に従って本文を作ってくれてもいいと思います。資料用のフォルダから人物プロフィールを指定字数で書いてくれてもいいですね。
Scrivenerの特長の1つは、読者に見せない著者用のスペースが豊富にあり、テキストごとに対応していることです。それに、資料と原稿本文の両方を1か所で管理できます。上のようなことができると、ScrivenerでApple Intelligenceを使う価値も高まると思うのですが、さて今後どうなることでしょう。