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コンパイル|Word用(Windows向け)

Windows版のScrivenerで書いた原稿をコンパイルして、Windows版のWordで読み込む手順を紹介します(Scrivenerの動作確認バージョン 3.1.5.1、Wordの動作確認バージョン 2310)。

ルビと傍点の書式を保ったまま原稿をWordへ移すために、HTML形式を利用します。Word形式ではない点に注意してください。Wordで読み込みが完了したら、docx形式で保存し直してから作業を続行します。

手順1)Scrivenerで原稿のプロジェクトを開き、[ファイル]→[コンパイル]を選びます。

手順2)「Compile For」を「ウェブページ(.html)」へ変更してから、「フォーマット」に名前が「Word用(章ア題)」または「Word用(章ア題、節ア)」のいずれかを選びます。ここでは例として、「Word用(章ア題、節ア)」を選びます。

【注意】「Word用(章漢題)」および「Word用(章漢題、節ア)」は、Windows版のScrivenerでは使わないでください。章番号に一貫性のない文言が出力されます。

手順3)コンパイルを実行します。ファイルの出力先を尋ねられるので、適当な場所に好みの名前で保存します。

手順4)好みのテキストエディタを起動して、手順3で出力したファイルを開きます。ここでは「Mery」を使います。

→「テキストエディター「Mery」

手順5)1行目をまるごと削除します。1行目には次のように書かれています。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8"?>

この記述を残したままWordで読み込むと、エラーを起こします。

手順6)HTMLエンコードされている文字列をデコードします。「&#60;」を「<」へ、「&#62;」を「>」へ、それぞれ置換します。原稿中で使っていなければ、一括置換でかまいません。

手順7)HTMLファイルを上書き保存して、テキストエディタを閉じます。

手順8)Wordを起動し、手順7で保存したファイルを開きます。この時点で、ルビはルビとして表示されるはずです。

手順9)「ファイル」タブを選び、「名前を付けて保存」をクリックし、「docx」ファイルとして保存します。このまま次の作業へ移ると、HTMLで傍点は扱えないという趣旨のエラーが表示され、続行できなくなります。

手順10)傍点は斜体として表示されているので、傍点へ変換しましょう。「ホーム」タブを選び、「編集」カテゴリーにある「検索」ボタンの右隣にあるメニューを開き、[高度な検索…]を選びます。

手順11)「置換」タブを選び、「検索する文字列」欄をクリックしてから、ウインドウ下端にある「置換」カテゴリーから「書式」ボタンをクリックして、[フォント…]を選びます。

手順12)「スタイル」の欄から「斜体」を選びます。「OK」ボタンをクリックしてウインドウを閉じます。

手順13)元のウインドウへ戻ったら、今度は「置換後の文字列」欄をクリックしてから、ウインドウ下端にある「置換」カテゴリーから「書式」ボタンをクリックして、[フォント…]を選びます。

手順14)「スタイル」の欄から「標準」を選び、「傍点」の欄から傍点を選びます。傍点は2種類あるので、好きなほうを選んでください。「OK」ボタンをクリックしてウインドウを閉じます。

手順15)検索する書式と、置換する書式を確認します。後者には指定していない設定が含まれることがありますが、「太字(なし)」のように、実際には影響しないものであれば無視してかまいません。「すべて置換」ボタンをクリックします。

手順16)置換が実行されたら、結果を確認してください。次の図は、さらに縦組みにして、フォントを変更したところです。

必要に応じて、見出し行の処理、縦中横、転換を示す行の記号の置換、行間の固定と調整、スタイルの登録などを行って、レイアウトを整えてください。これ以降はWordの操作になるので、ここではとりあげません。