メニュー 閉じる

Scrivener FAQ|Scrivenerを使わなくなったら、原稿はどうなりますか

Scrivener FAQ

とくに文芸の世界では、何年も経過してから昔の原稿が必要になることは、少なくありません。書き終えた原稿であっても、執筆に10年かけた未完の作品であっても、それは同じことでしょう。

Scrivenerで作成したプロジェクトは独自形式ですが、原稿の本文、「ノート」や「概要」の文章、資料が収められているファイルは、RTFやTXTといった汎用的な形式が使われています

よって、もしもScrivenerの開発元がなくなったり、ある日突然アプリの開発終了が宣言されたりしても、あるいは、単に自分が別のアプリへ乗り換えたためにScrivenerを使わなくなっても、Scrivenerで書いた原稿を開けなくなることはありません。プロジェクトさえ保存しておけば、いつでも原稿を引き出せます。

もしも「Scrivenerのファイルは独自形式だから、開発元がなくなったり、別のアプリへ乗り換えたりしたときに、昔の原稿を引き出せなくなるのは困る」と思い悩んでいるのであれば、そのような心配はまったく必要ありません。

プロジェクトを分解してみる

Scrivenerプロジェクトに納められている原稿などを引き出すには、プロジェクトを分解します。このとき、プロジェクトフォルダーの内容を操作しないように注意してください。もしも内容を変更すると、Scrivenerで開けなくなるおそれがあります。

Mac版のScrivenerを使っている場合は、controlキーを押しながら目的のプロジェクトを選択し、メニューが開いたら[パッケージの内容を表示]を選びます。これがプロジェクトフォルダーです。Mac版Scrivenerで作成したプロジェクトの実態はフォルダーですが、Finderではファイルとして表示されます(「パッケージ形式」と呼びます)。これは、不用意に内容を操作しないために使われています。

Windows版のScrivenerでプロジェクトを作成すると、同名のフォルダーが作られます。これがプロジェクトフォルダーです。

いずれの場合も、原稿の本文などのファイルは、バインダーのアイテムごとに、「(プロジェクトフォルダー)→Files→Data→(フォルダーID)」の下位に納められています。バインダーにはフォルダーやテキストのように表示されていますが、実際には、すべてフォルダーとして管理されています。

たとえば、次の図のようなScrivenerプロジェクトがあるとします。

原稿のフォルダー(「ドラフト」フォルダー)には3つのテキストがあり、資料のフォルダー(「リサーチ」フォルダー)には1つのファイルがあります。原稿フォルダーにある「Text1」テキストを選んでいるところから分かるように、原稿の本文があり、このテキストには「概要」と「ノート」が書き込まれています。

プロジェクトフォルダーは、次のようなファイルから構成されています。

> tree /f
C:.
│ Sample.scrivx

├─Files
│ │(略)
│ │
│ └─Data
│ │ docs.checksum
│ │
│ ├─287405D9-DED4-487B-A072-1493A5FB5C61  ←「Text1」の内容
│ │ content.rtf
│ │ notes.rtf
│ │ synopsis.txt
│ │
│ ├─4127A051-A505-4A8F-8927-1730667228D8
│ │ notes.rtf
│ │ synopsis.txt
│ │
│ ├─8189936B-2AFA-4EDB-9E03-CC43AE982087
│ │ content.rtf
│ │ notes.rtf
│ │ synopsis.txt
│ │
│ ├─DEAA4F07-837E-4333-B379-18FDEC4CF869
│ │ (略)
│ │
│ └─F97BD03C-F2D8-4389-BE25-AD409BFC258F
│ (略)

├─QuickLook
│ (略)

└─Settings
│ (略)

└─User

本文を納めたフォルダーにはそれぞれ「content.rtf」「notes.rtf」「synopsis.txt」ファイルがあります。「content.rtf」が原稿の本文です。次の図は「content.rtf」をWordで開いたところです。Scrivenerで開いたときと同じ原稿が収められていることが分かります。

次の図は「synopsis.txt」を開いたところです。

それぞれのファイルは、内容が書き込まれてから初めて作られます。たとえば、「概要」を書いていなければ、そのフォルダーには「synopsis.txt」ファイルは作られません。

この仕様は資料のファイルでも同じです。次の図は、画像を入れた資料ファイルをScrivenerで開いたところと、その「content.rtf」をWordで開いたところです。

Scrivenerのバインダーでは、同名のアイテムを同じ階層へ配置できます。このため、フォルダーの名前は、アイテムの名前(すなわち、テキストの題名)ではありません。(各フォルダーにはハイフンを除いて32桁から構成される個別の名前がついているので、おそらくUUIDが使われているものと思われます。)

よって、目的の原稿があるフォルダーは名前だけでは分からないので、片端から開けてみる必要があります。ただし、たくさんのテキストファイルを扱うのに長けているエディターはたくさんあります。もしも現実にScrivenerの原稿フォルダーをほかのアプリで開くことになっても、1つのフォルダーによほど膨大なテキストを詰めなければ、Scrivenerがない環境でテキストを引き上げることになっても、実際にはそれほど困ることはないでしょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です