【レビューバージョン|macOS 14.0、Scrivener 3.3.4|Windows 11 22H2、Scrivener 3.1.5.1】
macOS 14とiOS 17では、文章の音声入力を使いながら、キーボード入力で割り込みできるようになりました。特別な設定は必要なく、音声入力をしているときにキーボードを打つだけです。キーボード入力を終えると(日本語ではかな漢字変換を終えて決定するくらいのタイミングで)、自動的に音声入力の待機を示すマイクのアイコンが再び表示されます。
Scrivenerには、テキスト(TXT)ファイルをインポートするときに、特定の文字列を分割のための要素(セパレータ)として扱うことで、テキストを分割する機能があります。コルクボード表示であればカード、アウトライン表示であれば個々の項目として区切られます。
音声入力とインポート時の分割機能に直接の関係はありませんが、音声入力した文章をScrivenerで扱うときに活用できるのではないかと思って、この記事を書いています。
セパレータを使ってインポートする手順
インポートするときにセパレータを指定して分割する手順は次のとおりです。
- 原稿をプレーンテキストで用意します。UTF-8が無難でしょう。
- 読み込み先にしたいフォルダをバインダーで選びます。
- 次のコマンドを選びます。
- 《Mac》[ファイル]→[インポート]→[インポートと分割…]
- 《Windows》[ファイル]→[Import]→[インポートして分割…]
- ファイル選択のダイアログが表示されたら、ファイルを選んでから、《Mac》「テキスト内でセパレータを見つけてセクションに分離」オプション、《Windows》「テキスト内のセパレータを見つけてセクションに分割」オプションをを選びます。
- 《Mac》「セクション分離要因」欄、《Windows》「セクションを分割」欄が入力できるようになるので、分割の目印にしたい文字列を入力します。
- 「インポート」ボタンをクリックしてインポートを実行します。
- バインダーで読み込み結果を確認します。
実行例1 セパレータに記号を使う
次のようなテキストを用意したとします。音声入力するのであれば、話題の区切りで「しゃーぷしゃーぷ」と言って「##」を入力します。
インポート時のセパレータには「##」を指定します。図はMacですが、Windowsでも同じようなダイアログが出てきます。
次の図は読み込んだ結果です。1つのファイルが、セパレータとして指定した「##」を区切りにして、別々のテキストに分けられています。エディタの左側はコルクボード表示、右側は連結表示です。各テキストの1行目は、テキストのタイトルとしても使われます。
実行例2 セパレータに日常的な文章を使う
当然ですが、セパレータには、普通の文章も指定できます。
たとえば、次のような文章を音声入力したとします。
インポートのダイアログでは、セパレータに「次の話をします」と指定します。
読み込み結果は、実行例1と同じになります。
このような結果になるのは当たり前のことなのですが、音声入力するときは「しゃーぷしゃーぷ」のような不自然な言葉よりも、自然な文章のほうが思考の流れを妨げずに済むのではないかと思います。
もっとも、人によっては不自然な言葉を挟むほうが「区切ったぞ」という印象を持ててよい、と思うかもしれません。お好みでどうぞ。
実行例3 より自然な語句をセパレータにする
セパレータは、文頭に置いたり、単独の行として書かれている必要はありません。このため、より自然な語句をセパレータとして使うこともできます。
次のような文章を音声入力したとします。話題の区切りで「さて」と言っています。
セパレータには「さて、」を指定します。
読み込み結果は次の図の通りです。
「さて、」くらいであれば、“降ってきた”アイデアを喋り倒して記録しておきたいようなときや、つらつらと思いつきを書き留めたいときでも、自然に使えるでしょう。
改行が入らないとテキストのタイトルがうるさく感じますが、こういった使い方も可能だということです。
なお、セパレータとして使った文言は削除されます。場合によっては、「各テキストの先頭には、本来『さて、』があったはず」とみなして、接続詞を適宜補うなどの加工も必要でしょう。