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実例|Scrivenerで複数の短い記事を書く

Scrivenerで文章を書くというといきおい長編のことを考えがちで、短いものはつい別のシンプルなエディタを起動しがちです。しかし、多くのテキストをまとめて扱い、情報を一か所にまとめるという点では、Scrivenerもなかなかよいものです。

この記事では、複数の短い記事を書くときの使用例を紹介します。とくに、内容に関連性や連続性があるときには効果的でしょう。

次の図は、記事を執筆している画面の例です。各テキストのタイトルと本文はダミーです。

原稿用のエディタ

エディタを二分割表示にして、一方はテキスト連結表示にします。これで、全部の原稿が見通せるようになります。

たとえば、筆者は最近監修の案件をいただくようになりました。ほかのライターさんが書いた元記事に対して、100文字や150文字くらいの短いコメントを3つくらい添えるというご依頼です。

そのような記事でコメントだけ拾い読みする人はいないと思いますが、それでも、3つのコメントで同じようなことを書いてはいけないでしょう。また、記事本文に沿って、話が発展・収束していくように組み立てる必要があります。

元の原稿はWordで受け取り、提出もWordで行うのですが、コメントは記事中の離れた場所に書くことになっています。もしもアイデア段階から直接Wordの中に書き込んでしまうと、前後のコメントを比較しながら書くことは現実的ではありません。

はじめはシンプルなテキストエディタを使っていたのですが、個別の文字数を確かめながら自分のコメントをまとめて読めないことが不満でした。

しかし、コメントをScrivenerで書き、元原稿のWordとあわせて2つのウインドウを並べて配置するようにしてからは、効率よく書けるようになりました。集中管理で見通しをよくするというScrivenerのメリットが、ここでも発揮されています。

文字数集計用のアウトライン

分割表示にしたエディタのもう一方は、アウトライン表示にして、各アイテムのタイトルと個別の文字数を表示する設定にします。これで、各記事の文字数が分かります。

このような案件ではおおよその文字数が指定されていることが一般的ですので、長すぎても、短すぎてもいけません。ただし、全体の見通しがよいので、書いてみたら文字数がオーバーしたという場合でも、話題をほかのコメント枠へ移動して対処できるので、ネタを無駄にせずに済みます。

エディタ下端の表示とは違い、アウトライン表示に文字数が反映されるタイミングは、リアルタイムではありません。何かの理由で更新されるときに文字数も更新されるようですが、おそらくもっとも簡単なのは、何もしないことです。Scrivenerは、デフォルトでは2秒間何も操作しなければ原稿が自動保存されますが、そのタイミングで文字数も更新されます。

Scrivenerで表示される文字数は、Macでは改行がカウントされてしまいますし、半角文字を 0.5 文字に換算する設定がありません。また、何文字何行という日本語で多用される計算もできません。しかし、このような段落のない、ごく短い原稿であれば、それも問題にならないことが多いでしょう。

ウインドウ構成をプリセット化する

Scrivenerでは、このように設定した画面の構成を「レイアウト」として保存できます。アウトライン表示に表示する項目を含めて登録するときは、「アウトライナーとコルクボード設定を保存」オプションをオンにします。

この記事で紹介した機能を設定する具体的な手順は、拙著『Scrivener入門』を参照してください。ページ下端のリンクから購入して頂くとアフィリエイト収入が入りますので、サーバーの維持に役立たせて頂きます。

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