以前に比べ、長文執筆用アプリであるScrivenerを使っていると言及される方が増え、話題になることも増えています。日本語で読める単体のScrivenerの解説書として初めてだった『考えながら書く人のためのScrivener入門 小説・論文・レポート、長文を書きたい人へ』、iOS版を対象にした『いつでもどこでも書きたい人のためのScrivener入門』(ともにBNN新社・刊)を書いた者としては大変うれしいことですが、いきなり数千円の書籍をというのもハードルの高い話ですので、購入前の参考になる情報をまとめたリンク集を作りました。
リンク集
- 「Scrivener Writing Software | macOS | Windows | iOS」(Literature and Latte
Scrivenerの開発元による公式サイトです。開発元はイギリスであり、英語です。 - 「Scrivener Tutorial Videos」(Literature and Latte)
開発元によるチュートリアルビデオで、テーマごとに短く分かれています。これも英語です。 - 「作家・藤井太洋に聞く「小説を書くためのツール、Scrivener」」(DOT Place)
SF作家・藤井太洋さんへのインタビューの短縮版です(完全版は『考えながら…』に収録されています)。Scrivenerの機能に直接言及する箇所はカットされているので、まだ使っていない方にも読みやすく再構成されています。『考えながら…』を購入したら、そちらもあらためてお読みください。 - 「Scrivenerについて(1)」(TaiyoLab)
藤井太洋さんご本人のブログです。2014年12月の記事ですが、長年のユーザーである藤井さんの生のお話しが読めます。 - 「考えながら書く人のためのScrivener入門」(TaiyoLab)
同じく藤井太洋さんのブログで、書籍を紹介いただきました。 - 「物書きをする人の楽園:Scrivener [Mac OS X]」(Lifehacking.jp)
堀正岳さんによる2008年の紹介記事です。『いつでもどこでも…』でインタビューさせていただいた倉下忠憲さんが、Scrivenerを知ったきっかけとしてあげられていました。9年前の記事ですが、本質的な指摘がごく短くまとめられているという点で参考になります。 - 「【書評】考えながら書く人のためのScrivener入門(向井 領治)」(R-style)
倉下忠憲さんのブログでいただいた書評です。おそらく、全国で最初に購入・読破されたのではないでしょうか。倉下さんにはのちに『いつでもどこでも…』でインタビューさせていただきました。考察や上級者向けの記事に興味がある方は、「R-style」でScrivenernのタグがついた記事の一覧も。 - 「考えながら書く人のためのScrivener入門」(ビー・エヌ・エヌ新社)
『考えながら…』の目次およびサンプル画面があります。 - 「いつでもどこでも書きたい人のためのScrivener for iPad & iPhone入門」(ビー・エヌ・エヌ新社)
『いつでもどこでも…』の目次およびサンプル画面があります。
Scrivener本のFAQ
Q:「『考えながら…』と『いつでもどこでも…』はどう違いますか」
前者はMac版のver.2.xを、後者はiOS版のver.1.0.x(iPhoneおよびiPad)を対象にしています。
前者の刊行当時は、iOS版はありませんでした。2017年12月に発売したver.3は扱っていません。
後者はiOS版の解説書ですが、Mac版のScrivenerと連携する場合と、Windows版のScrivenerと連携する場合、その両方を同等に扱っています。2017年12月現在
【2017年12月30日追記】Mac版はver.3が発売されました。根本的な設計は変わっていませんが、当然ながら新機能は扱っていません。iOS版はインターフェースが日本語になったので、その点だけ読み替えてください。
Q:「『考えながら…』を買ったら『いつでもどこでも…』は不要ですか」
興味がありましたら、ぜひ2冊あわせてご活用下さい。
iOS版はMac版と機能やインターフェースが異なる箇所が大変多いため、2冊で重複する部分はほんの数パーセントです。また、藤井太洋さんは2冊両方にインタビューがありますが、ともに語り下ろしですので、内容はまったく異なります。
Q:「Windowsユーザーなんですが、『考えながら…』を買っても役に立ちますか」
おおざっぱに言って、Windowsユーザーの方が読んで参考になるのは6割程度と思います。
『考えながら…』はMac版のみを対象としていますが、Scrivenerの基本構造はMac版とWindows版で同じですし、ファイルに互換性もあります。MacとWindowsの両方を使った経験があれば、図を多少読み替えていただければムダにはなりません。
ただし、Windows版はMac版よりも開発が後まわしになっているため、機能が少なくなっています。たとえば、自由な位置にカードを置くことや、正規表現を使った検索置換ができません。
Q:「Wordしか使ったことがないんですが難しくないですか」
そういう方を基準に想定しています。
執筆専用アプリというと、テキストエディタやアウトラインプロセッサなど、ちょっと難しそうなツールを思い浮かべる方もいらっしゃるようですが、Wordがおおよそ使えるという程度でOKです。特別な予備知識は必要ありません。
Q:「アマゾンで『考えながら…』を探したら、なんか高い」「ネット書店で品切れなんだけど」
1. リアル書店で店頭在庫を探す、2. 電子書籍にする、3. オンデマンド印刷版にする、のいずれかでお読みください。
2017年8月現在、『考えながら…』の印刷版は、ネット通販の書店ではほぼ在庫切れで、税込2700円に対してプレミアムがついてしまっている状態です。大変残念ですが、これが実情です。ちなみに、古書をプレミアム価格で購入されても、著者や出版社にそのお金は回りません。
1. リアル書店で店頭在庫を探す
いまでもわずかながら店頭在庫が流通しているようです。ネットで在庫がわかる書店さんもありますので、探してみてください。たとえば→ 丸善&ジュンク堂
2. 電子書籍にする
iPadやパソコンで読める電子書籍も販売しています。電子書籍は印刷版より1割ほど安く、在庫切れがなく、ネットですぐにダウンロードできるので、可能であればこちらをおすすめします。→ 『考えながら書く人のためのScrivener入門』 電書版の取扱書店一覧
ちなみに、印刷版では図版はモノクロですが、電子書籍ではカラーです。
なお、電子書籍はiPhoneで読めることもありますが、『考えながら…』は固定レイアウトのため、画面の小さなiPhoneでの閲覧は現実的ではありません。iPadやパソコンでの閲覧をおすすめします。対応機種を含め、閲覧方法については、各電子書店の案内をお読みください。
3. オンデマンド印刷版にする
2018年1月、オンデマンド印刷版が発売されました。注文をいただいてから1部ずつ印刷するものです。詳しくは新サイトの「『考えながら書く人のためのScrivener入門』紙で買えます」をお読みください。
Q:「Scrivenerの本はScrivenerで書いたんですか」
はい。キャプチャをご覧ください。
- 『考えながら書く人のためのScrivener入門』のScrivenerの画面
- 『いつでもどこでも書きたい人のためのScrivener for iPad & iPhone入門』のScrivenerの画面
『考えながら…』の末尾に、執筆過程のメイキングを収録しています。
Q:「小説を書くわけではないのですが、役に立ちますか」
解説にあたっては、特定のジャンルを前提にしないように心がけました。
「小説・論文・レポート、長文を書きたい人へ」という副題の通り、小説、シナリオ、学術論文、ノンフィクション、ビジネスレポート、法務に至るまで、あらゆるジャンルにおいて役立てていただけるよう配慮しました。
ただし、解説にあたっては具体例が必要になるので、構成作りの段階においては童話の「シンデレラ」をモデルにしています。これは広く知られているものですので、ご自身で執筆されるジャンルに読み替えていただければ幸いです。
Q:「電書は、iPhoneで読めますか」
約10インチ以上のタブレットまたはパソコンをおすすめします。
電子書籍版は固定レイアウトですので、画面の小さな端末での閲覧は現実的ではありません。また、iPad miniなどの7〜8インチ程度のタブレットでも難しいでしょう。(miniではない)iPadや、Fire HDなど、約10インチ以上のサイズの端末をおすすめします。
Q:「電書は、マーカーを引いたり、本文を検索したり、しおりをつけたりできますか」
マーカーや全文検索はできません。しおりはリーダーアプリの機能によります。
電子書籍版は固定レイアウトですので、マーキングおよび検索はできません。
ページ単位でマーキングするしおりについては、できるものとできないものがあります。たとえばKindleの場合、iOS版のアプリにはしおり機能がありませんが、Android版およびFire端末にはしおり機能があります。これは個別のタイトルの問題ではありません。Android端末やFireシリーズで閲覧するか、iOS版アプリにしおり機能を追加するようにAmazonへリクエストしてください。