Scrivener FAQ|表示の日本語ってヘンじゃないですか?

Scrivener FAQ

要旨

Scrivenerのインターフェースは多くが日本語化されましたが、なかにはおかしなものもあります。意味がわからないと思ったら、そもそも翻訳がおかしいと考えたほうがよいでしょう。

現象

たとえば、エディタ下端に表示される単語数は、macOS版とiOS版では「複数単語」、Windows版では「単語数」という謎の用語が使われています。この程度ならまだ単語数のことだろうと推測できます。実際、英語表示へ切り替えると「Words」と表示されます。

なかには、現実的に困りそうなものもあります。iOS版でコンパイルするときにファイル形式を選ぶダイアログでは「PDF/RTF/プレーンテキスト」と並んで「単語」という選択肢があります。何のことかと思って調べるとMicrosoft「Word」のことでした。

書き物のアプリでこのような翻訳が使われていることはたしかに残念ですが、製品が2つしかないイギリスの小さなソフトハウスに日本語翻訳の品質を求めるのは現実的ではないでしょう。

対策

対策としては2つ、1)日本語がわかる人間が解説したものを読んで機能を覚えてしまうこと、2)日本語表示をやめて英語のインターフェースで使うことが考えられます。

対策1)拙著『Scrivener入門』シリーズ(BNN刊)では、翻訳されていないものだけでなく、日本語としておかしな訳がついているものにも、筆者の訳を付けて解説しています。

対策2)インターフェースの言語は、いずれのOSでも、アプリの環境設定として手動で変更できます。OSの言語設定とは個別に書籍『Scrivener入門』でも解説しています。

経緯

もともとScrivenerのプルダウンメニューやメッセージウィンドウなどの表示は英語のみで、当時はボランティアの方が個人的な努力で作成された日本語化パッチのお世話になっていたものでした(本当にありがたいことでしたし、『Scrivener入門』Mac版の最初の版でも紹介させて頂きました)。

現在は開発元によって日本語対応が行われるようになり、エンドユーザーとしてはパッチを探して当てる作業は不要になりました。しかしこれは、翻訳作業の進行度合いや訳語の品質が、開発元次第になったということでもあります。

筆者もmacOS版のVer.3ではベータテスターとして参加し、メッセージを訳したExcelファイルを何度もやりとりしました。そのなかには採用されたものも、採用されなかったものもあります。そこだけ翻訳がまずかったとも思えないので、採用されなかった理由はわかりません。

Windows版Ver.3では別の方が翻訳に参加されていたらしく(アバウト画面にクレジットされています)、そちらの経緯は私は知りません。Ver.3.0の日本語化はプルダウンメニューなどに限られていましたが、Ver.3.1ではオプションやコンパイルの設定ウィンドウもほとんど日本語化されました。

macOS版とWindows版で用語が微妙に違うのは、開発スタッフが異なるため、開発過程も異なることが原因と思われます。創業者のKeith氏が直接手がけているのはmacOS版とiOS版だけで、Windows版は別のスタッフが担当しているようです。

なお、Windows版Ver.3.1のリリースノートによると、各言語の翻訳はボランティアベースの作業をやめ、機械翻訳を使うように変更したとされています。たしかに作業は進むと思われますが、母語として使う人間がチェックするのかどうかはわかりません。また、将来のmacOS版も機械翻訳を使うようになるかどうかもわかりません。

機械翻訳を使うことの問題は、文脈や機能を理解しない翻訳が増えることです。この記事の冒頭で紹介した「Word」の扱いなどは典型です。また、Windows版のVer.3.1の日本語にもおかしな点は散見されます。

結論

主要機能についてはおおむねよさそうですが、すべての表示について高品質の日本語訳を求めるのは無理な要望でしょう。しかし執筆の締切も衝動も止められないとなれば、上のような対策をしていくほうがユーザーとしては現実的と思われます。

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