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Scrivener FAQ|原稿を音声で読み上げてほしい

Scrivener FAQ

【2021/12/12追加】CeVIOでボイスの設定を変更する手順を追加しました。【2022/02/17追加】「VOICEPEAK 商用可能 6ナレーターセット」(Windows用体験版)で動作しないことを追加しました。

原稿を音声で読み上げてもらう

推敲のテクニックの1つとして、声に出して読む方法があります。音になるとおかしな文章に気づきやすいとはよく言われますし、セリフを文章で書く脚本家にとっては声になったときの秒数を確認するという現実的な必要性もあるそうです。

『いつでもどこで書きたい人のためのScrivener入門 for iPad & iPhone』(BNN)でインタビューさせていただいたtoshiさんはiPhoneの読み上げ機能を推敲に使っていると聞いて、なるほど機械に読んでもらう手があったかと膝を打ったものです(本を持っている方は252ページをごらんください)。この機能は書籍では紹介していなかったので、3つのOS環境であらためて確認してみました。

この機能は、macOS、iOS、Windowsのいずれでも、OSが持っている内蔵の読み上げ機能を呼び出して使っているようです。コンパイルするなり、一部をコピーしてテキストエディタへ貼り付けるなりしても読み上げ機能は使えますが、Scrivenerで原稿を書いているのであれば、どこかへ出力せずにScrivenerの画面の中だけで操作を済ませられるほうが便利でしょう。

macOSでの読み上げ

macOS版 Scrivenerで原稿を読み上げるには、①[編集]→[スピーチ]→[読み上げを開始]を選ぶ方法と、②OS標準の読み上げ機能を使う方法があります。

①の方法では、テキストの途中に文字カーソル(キャレット)を置いていると、そこからテキストの末尾までを読み上げます。

②の方法では、カーソルの位置にかかわらず、エディタの先頭から読み始めます。連結表示しているときは、最初に表示しているテキストから読み始めます。

どちらの方法でも、連結表示をしていれば、後続のテキストも連続して読み上げられます。また、範囲を選択しているときは、その範囲だけを読み上げます。

ただし、①の方法ではボイスの種類を変えられず、つねに「Kyoko」が使われるので、以後は②の方法を紹介します。

【macOS 12.0.1+Scrivener 3.2.3の場合】

ボイスの種類や読み上げ速度などを変えるには、Appleメニューから「システム環境設定」を選び、「アクセシビリティ」→「読み上げコンテンツ」カテゴリを選び、「システムの声」「読み上げ速度」などを操作します。状況によっては、インターネットからボイスのデータをダウンロードする必要があります。

さらに、この画面にある「選択項目を読み上げる」オプションをオンにすると、②の方法が使えるようになります。キーボードショートカットは、初期設定では「Option+Esc」キーに割り当てられていますが、「オプション…」で変更できます。

【macOS 10.15.7+Scrivener 3.2.3の場合】

ボイスの種類や読み上げ速度を変えるには、Appleメニューから「システム環境設定」を選び、「アクセシビリティ」→「スピーチ」カテゴリを選び、「システムの声」「読み上げ速度」を操作します。状況によっては、インターネットからボイスのデータをダウンロードする必要があります。

さらに、この画面にある「キーを押したときに選択しているテキストを読み上げる」オプションをオンにすると、②の方法が使えるようになります。初キーボードショートカットは、期設定では「Option+Esc」キーに割り当てられていますが、「キーを変更…」で変更できます。

iOSでの読み上げ

iOS版 Scrivenerで原稿を読み上げるには、OS内蔵の読み上げ操作の手順を使います。Scrivenerのメニューとしては存在しないようです。

OS内蔵の読み上げ機能を使うには、あらかじめ設定が必要です。「設定」アプリを開き、「一般」→「アクセシビリティ」→「読み上げコンテンツ」→「画面の読み上げ」オプションをオンにします。

これで、Scrivenerでいずれかのテキストを選んでエディタに表示しているときに、ディスプレイの上端から2本の指で下へ向かってスワイプすると、エディタの文章を読み上げます。この操作では、エディタにカーソルがない状態(エディタでテキストを選んだだけの状態)でも読み上げてくれます。

なお、「一般」→「アクセシビリティ」→「読み上げコンテンツ」→「選択項目の読み上げ」をオンにすると、範囲を限定して読み上げられます。

Scrivenerで文章を選択すると、ポップアップするメニューの中に「読み上げ」が現れ、選択範囲だけを読み上げます。

また、文章を選択せずにある箇所を長押しすると、ポップアップするメニューの中に「文の読み上げ」が現れ、その1文だけを読み上げます。この場合、文の先頭を選ぶ必要はなく、文の途中で長押ししてから操作しても、その位置にある1文を最初から最後まで読み上げます。ただし、同じテキストのなかであっても、後続の文は読み上げられません。必要に応じて使い分けてください。

ボイスの種類や読み上げ速度を変えるには、「設定」アプリを開き、「一般」→「アクセシビリティ」→「読み上げコンテンツ」→「声」や「読み上げ速度」を変更します。状況によっては、インターネットからボイスのデータをダウンロードする必要があります。

また、読み上げ実行中に現れる「読み上げコントローラ」でも、速度を変えられます。

Windowsでの読み上げ

【Windows 11 21H2+Scrivener 3.1.1で確認】

Windows版 Scrivenerで原稿を読み上げるには、[編集]→[詠み上げ]→[詠み上げを開始]を選びます。メニューの用語は例によって漢字が間違っています(英語版の表記では[Edit]→[Speech]→[Start Speaking])。

テキストの途中に文字カーソル(キャレット)を置いていると、そこからテキストの末尾までを読み上げます。連結表示をしていても、後続のテキストは読み上げられません

範囲選択をしていると、その範囲だけを読み上げます。

ボイスの種類や読み上げ速度などを変えるには、[編集]→[詠み上げ]→[設定]を選びます。もしも「Language」(言語)が「Japanese」でなかったときは、そのように設定してください。その後に、「Rate」(速さ)、「Pitch」(音程)、「Voice name」(ボイスの名前)を変更します。

【以下はWindows 10 21H1+Scrivener 3.1.1で確認】

読み上げ機能はOSのナレーター機能を使っているらしく、この機能に対応しているCeVIO Creative Studio 7の「CeVIO さとうささら ソング&トーク スターター」を選択できました。Scrivenerで[詠み上げを開始]を選ぶとCeVIOが起動して文章を読み上げます。CeVIOの「元気」「哀しげ」などのボイス設定も反映されます。

ボイスの設定(読み上げの調子)を変更するには、CeVIOアプリの[ツール]→[オプション…]を選び、「トーク設定」タブへ切り替え、「既定のプリセット:(ボイス名)」のオプションを変更します。反映させるにはCeVIOアプリを再起動する必要があります。

Windowsでの非対応製品

Windows内蔵のボイスでも、「Microsoft Haruka Desktop」以外のボイスは選べませんでした。

また、CeVIOの類似製品であっても、ソースネクスト「かんたん!AITalk3」(製品版)、および、AHS「VOICEPEAK 商用可能 6ナレーターセット」(Windows用体験版)は、当該ボイスを選択できませんでした。これらはWindowsのナレーターとしても音声を選択できません。

オマケ情報

日本語辞書の品質はmacOSおよびiOSと、Windowsでは差があるようです。前者は「2つめ」を「につめ」と読み上げましたが、Windowsでは「ふたつめ」と読んでくれました。

ユーザ辞書を登録すればよいようですが、これ以上はScrivenerの話題から外れてしまうので、別の機会に譲ります。

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