メニュー 閉じる

Scrivenerの文字数表示に関する中間報告(1)

本記事は確定した内容ではなく、調査途中における中間報告である。考察結果は後で修正される可能性がある。


英国生まれのScrivenerは、日本語組版に関してはまったく配慮がないと言っていい。唯一Mac版で組み方向を変えられるが、おそらくmacOSのライブラリを使って簡単に機能を組み込めたためと推測される(Pagesどころか、OS付属の「テキストエディット」でさえ縦書きにできる)。

日本語関連で広く問題にされるのが、文字数の計測である。どこかへ提出するためにWordへ移したらまったく字数が変わってしまったという話はよく聞く。

Wordの文字数計測がどうなのかという話はさておき、ScrivenerユーザーとしてはまずScrivenerでの現象を確かめてみようというのが、この記事の主題である。

テスト方法

テスト用のプロジェクトを作り、エディタ表示のフッターをクリックして、その表示内容を確認した。プロジェクトは、Mac・Winで同じものを使用した。

テスト環境は、以下のとおりである。

  • Mac:macOS 12.6、Scrivener 3.2.3、フッターには単語数と文字数を表示するよう設定(なお、macOS 10.15.7でも同じ結果になった)
  • Windows:Windows 11 22H2、Scrivener 3.0.1、フッターには文字数を表示するよう設定

テスト1)句読点なしのひらがな

文字数は期待通りだが、単語数が奇妙である。Winの「1」はいいとして、Macの「5」とはなんだろう。日本語の「単語数」表示などそもそも誰も期待していないだろうが、日本語に外国語の文章が数多く混在する作品では、うっかり単語数を見たりしないほうがよさそうだ。

テスト2)句読点ありのひらがな

Mac、Winともに12文字。文字数に限れば問題はない。

テスト3)改行ありのひらがな

多く言われる問題の原因はこれだろう。Macでは、文字数は「17」、スペースなしで「15」になる。Winではそれぞれ「15」「13」である。

Macで文字数が17になる原因は、改行がカウントされていることだろう。「スペースなし」では、改行コードも除いた文字数が数えられる。次のテストと比較してほしい。

Winで15字と数えられるのは、日本語の文章を書く者としては期待通りだ。ただ、「スペースなし」が13時になる理由が分からない。次のテストとあわせて考えると、おそらく「15ー2=13」の結果と思われる。

とりあえず、Macでは「スペースなしの値」を、Winでは「スペースなし、ではないほうの値」を見るほうがよさそうだ。

テスト4)改行ありのひらがな、最終行に改行あり

文章は一見テスト3と同じに見えるが、実は最終行「さしすせそ」の後に改行を入れて、何も文字がない4行目がある。つまり改行は3つある。やっかいなことに行番号を表示しただけでは、4行目があることが分からない。

Macで18字と表示されるのは、最終行の改行が数えられているからだろう。「スペースなし」は15字で変わらない。

Winでは「文字数」は15字だが、「スペースなし」は12字になる。テスト3と比較すれば、「15ー3=12」の推測は正しいと考えてよさそうだ。

つまり、おそらく改行の数に限ると、「スペースなし」の表示に関しては、Macでは「本当の文字数+改行コードの数」、Winでは「本当の文字数ー改行コードの数」として数えられるようだ。

となればやはり、Macでは「スペースなし、の文字数」を、Winでは「スペースなし、ではない文字数」を見るべきということになる。

ところがフッターの表示は、Mac・Winとも「スペースなし、ではない文字数」を表示している。このため、Macユーザーに限ってはフッターの文字数を信用せずに、フッターをクリックして「スペースなし文字数」を参照し、本当の文字数を確かめるべきということになりそうだ(フッターにポインターを乗せて待っていても表示される)。

ちなみに、Winではフッターに表示する数は、デフォルトの「単語数」のほかに、「文字数」「文字はスペースなし」から選べる。日本語の文章を書くなら「文字数」に設定するべきだろう。設定方法は『Scrivener入門 for Windows』に書いた。

Macでもフッターに「スペースなし文字数」を表示するように設定できればよいのだが、そのような設定は見つけられなかった。

では文字数表示に限ればScrivenerのMac版がポンコツなのか。そうとも言えないようだ。ぼくのMacにインストール済みのワープロとテキストエディタを片端から開いてこの文章を読ませてみたところ、改行コードと、何も書いていない4行目を無視して「15字、3行」と表示してくれたのはApple Pages、Microsoft Word、egword Universalといったワープロ勢だけだった。テキストエディタについては、そうではなかったとだけ書いておく(定説があるのは知っているが確証がない)。

テスト5)全角スペース

最後に、全角スペースを試してみた。ついでに疑問符と感嘆符も入れたが、Mac・Winどちらも期待通りの結果になった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です