今年はScrivenerを使っている皆様におかれましてはどんな年だったでしょうか。ばんばん原稿やプロットが書けたあなたも、アイデアだけはたくさん書いたあなたも、まだ自分の使い方を模索されているあなたも、年末も近づいたということで、ここ1年間の当サイトのアクセスランキングをご紹介したいと思います。
引っ張る必要もないので、第1位からいきます。
第1位
「《詳報》Scrivener 3 for Windows(4/5)──日本語環境」
Scrivenerユーザーにとって今年最大の話題は、永遠に続くのかとさえ思われたベータが終わり、Windows版が正式版になったことでしょう。
当サイトは検索サービスから直接飛んでこられる方がほとんどですが、この記事がダントツの1位でした。いまやパソコン雑誌の数も減り、マイナーアプリのレビューもそうそう掲載されなくなってしまったので、こういう記事がそれなりに役割を果たしたのであればいいですね。
第2位
これが第2位というのがおもしろいですね。なかなか表立って言われないからでしょうか。
ぼくは広告を書いているつもりはありませんし、商業で解説書を書いていても結局は自腹で買っている一介のエンドユーザーですから、そう簡単に褒めて終わることはありません。依頼原稿であっても「不向きなこと」「できないこと」をよく書きますし、いいことばかりを書くのは、むしろ時間とお代を頂く読者に対して不誠実だと思っています。
ましてや、縦書き、クラウド同期、厳密な文字数管理などは、必要な方にとっては絶対に譲れないことでしょうから、それをマイナス要素だからといって黙っておくのはダメでしょう。
第3位
「Scrivener FAQ|プロジェクトをクラウドに置くならDropboxへ」
これもコンスタントにアクセスのある記事で、既存ユーザーでも案外と知られていないようです。とくにWindowsだとOneDrive保存がデフォルトになっていたりしますし、ほかのマシンと同期するときはとくに注意したいポイントです。
ただし、Dropboxを使っていても、同期が完全に完了したことを確認してからプロジェクトを開く点に注意してください。もしも同期が完了していないうちにプロジェクトを開くと、すべてのファイルがそろっていない状態で開くことになるので、同期が終わっていないテキストが抜けてしまいます。ただし、同期終了を待ってからプロジェクトを開き直せば、抜けているテキストも表示されるはずです。ここまでは実験済みです。
これは実験したことはありませんが、オンデマンドダウンロードを採用しているOneDriveやiCloudでも、同じような状況になると推測されます。原稿を書いても消えてしまうという方は、プロジェクトの保存先を確かめてみてください。
では、Dropbox以外のクラウドは使えないのか? 大切な原稿に関わることですから不用意なことは言えませんが、筆者が自宅で使っているOwnCloudというWebDAV互換のシステムではいまのところエラーは起きていません。おそらく、オンデマンドダウンロードでなければよいように思います。
とはいえ、iOS版のScrivenerがDropbox決め打ちになっているので、iOSでも使っている場合はDropboxを使うしかないのですが……。
第4位
マイナーなアプリですからね。興味を持っても、どこで買ったらいいのか分からない方は結構いらっしゃるようですので、本気で広めようと思うなら、こういう素朴なFAQこそ必要だと感じます。
ちなみに、日常的にアクセス数が目立つのはセール情報なのですが、長期間のランキングでは上位にあまり出てこないのは意外でした。
第5位
「《詳報》Scrivener 3 for Windows(3/5) ──注目の新機能」
重要な新機能を一通り紹介した記事です。Ver.1から使ってきている方もぜひどうぞ。
ぱっと見ただけでは何が変わったのか分かりにくいアプリですし、書籍『考えながら書く人のためのScrivener入門for Windows』ではとりたててどれが新機能とは書いていないので、本を買って頂いた方もこの記事を一度読んで押さえておくといいかもしれません。
無料でアップデートできた方も結構いると思いますが、お金とは関係なく、新機能を使ってみてください。クイックリファレンスとか、コピーホルダーとか、ライティング履歴とか、便利な機能がたくさんあります。個々の機能の詳細は書籍をどうぞ。
第6位
「Scrivener for iPadユーザーのためのキーボード選び──(9)PFU「HHKB HYBRID Type-S」」
Happy Hacking Keyboardはやはり人気ですね。ノートPCがわりにiPadを持って、でも原稿はしっかり書きたいということなのでしょうか。
HHKBは高くて手が出ないという方は、FILCOのMajestouch MINILA-R Convertibleをおすすめします。筆者がiPad版Scrivenerで常用しているのはMINILA-Rです。
第7位
「Windows版 Scrivener、3.0.1リリース 要環境設定変更」
待望だったWindows版の、最初のマイナーバージョンアップだったVer.3.0.1の記事です。日本語ユーザーには影響が大きかったので、困った方は少なくなかったのではないでしょうか。今後も速報はタイムリーに出せるようがんばります。
第8位
Scappleの名前もネットでちらほら見かけるようになりましたが、関連記事の中でもアクセス数はこれがトップでした。やはり、Scrivenerを出しているメーカーが出しているアプリだから、という方が多いのでしょうか。
具体的な操作手順も必要ですが、最初にその独特な概念を把握しておくとあとが楽になるので、シリーズ記事を序文から一通り読んで頂くと役立つと思います。
第9位
「Scrivener FAQ|インターフェースは日本語化されてるの?」
これもコンスタントにアクセスがある記事です。インターフェースの日本語にまつわる問題は根深いものがあるので、端的に情報をまとめておくことは重要ですね。
第10位
「《詳報》Scrivener 3 for Windows(2/5)──導入方法」
Ver.1から使ってきた方は素通りしそうな記事ですが、これにそこそこのアクセスがあったということは、相応に御新規さんがいらっしゃるのでしょうか。
普通のウィザード形式ですが、英語だし、内容のわかりづらい設定なので、こういうことも丁寧に書く必要があると思っています。
以下、「Scrivener FAQ|日本語の原稿を書けるの?」「《詳報》Scrivener 3 for Windows(1/5)──はじめに」「Scapple超入門(3)ノートをつなぐ」「Scrivener for iPadユーザーのためのキーボード選び──(10)FILCO「Majestouch MINILA-R Convertible」」の記事が続きます。
終わりに
ScrivenerもScappleも地味なアプリですが、これからも地味に記事を足していきますので、来年もよろしくお願いします。年末年始は原稿書きましょうね!(自省) Scrivenerをこれから始める方、使ってきたけどいまいち使い切れてないなあという方は、ぜひフッターのリンクから書籍をご購入ください。アフィリエイト収入はサーバーの維持に役立たせて頂きます。